ニキビの状態の皮脂腺はIL-1、IL-6、IL-8、TNF-αなどの炎症性サイトカイン、PGE2、PGF2α、LTB4などの炎症性メディエーターを産生します。

 ニキビの病巣部位で大きく増えているアクネ菌(P.acnes)やサブスタンスP(Substance P)といわれる炎症で増える物質は、これらのサイトカインを産生しニキビを更に悪化させます。

 また、これらの炎症性の物質は、皮脂腺からマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)と呼ばれる破壊物質を出して、周辺組織を破壊していきます。皮脂腺以外からも、皮膚の表皮の細胞や繊維芽細胞(FB:Fibroblast)からも破壊物質が出ます。

 これらの破壊物質が、にきびの皮脂腺や周辺組織(正確には、細胞の外にあって細胞を支える細胞外マトリックスと呼ばれるコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸など)を破壊し、ニキビによる炎症を拡大し、ひどい場合には、ニキビ跡として残ります。すなわち、ニキビ跡は皮膚のコラーゲンやヒアルロン酸が破壊された結果なのです。